ただ事ではない命
『小さな経営論』藤尾秀昭著(致知出版社)からの抜粋です。
宇宙は100億くらいあると言います。その100億の宇宙の一つが、私達が住む地球の属する銀河系です。
銀河系宇宙の大きさはほぼわかっていて、楕円形で光の速度で直径が10万光年、厚さが一番厚いところで1万5千光年かかる距離だと言います。
光が1年かかって届く距離が1光年です。
光は1秒で30万キロ走るんです。1秒で地球を7周半回ります。これを計算したらすごいことになります。1分だと1800万キロ。1年なら約9兆4千6百億キロメートル。光は1年間でそれだけ走るんです。それが1光年。
銀河系の直径は、そのスピードで走って10万年かかる距離だというんです。それがまた100億もあるんですって。あまりのスケールに言葉も出ません。
その宇宙の中で地球だけに生命が宿されています。宇宙から見た地球はものすごく美しいと宇宙飛行士達は口を揃えて言います。地球に住む生命体が発するオーラが、地球を美しく輝かせているのに違いありません。
その地球に住む生命体に宇宙は等しく天敵を与えました。天敵がいなければあらゆる生命は増長し、蔓延、跋扈してしまいます。それは調和を愛する宇宙の心に反することでしょう。
ただ、限りない生命体の中で人間にだけ天敵がいません。なぜか。長い間疑問でしたが、思い至りました。人間の天敵は外ではなく、心の中にいるのだと。
人間を襲い、蝕む天敵。それは心の中に巣くう不平不満であります。ことあるごとにわき起こってくる不平、不満、愚痴こそ人間を滅ぼす天敵であります。
ある歌人の母は、その子が少女の頃、不満顔をするたびに、
「不満を持つ間は、人は幸せからはじき返されますのや」
とよく言ったといいます。人生を知り尽くした人の英知の言葉でありますね。
人間を損なう天敵の対極にあるもの、それは感謝です。心が感謝の思いに満ちあふれたとき、あらゆる不平不満は一気に消え去ります。感謝こそ人間という生命体を健やかに成長させる根幹であります。
人間の身体を見たとき、人間の生命に畏怖に近い感動を覚えます。全身に行き渡った血管網と神経細胞は、人知をはるかに超えています。身体の隅々に至るまで、微妙かつ精巧に、そして見事な調和の中に、一点のねじれももつれもなく配列されている様は、神の領域そのものであります。しかもその一本一本がそれぞれの役割を与えられ、その役割を果たして全体に帰依しています。全知全能の神でなければ創造し得ない世界がそこにはあります。
人間はすでに奇蹟のような生命をいただいて生きています。「生きて」いるのではなく、限りない恩の中に「生かされて」いるのです。理屈なしに、そう直感するしかない世界がそこにはあります。
両の腕の中ですやすや眠る我が子を見ながら、ただただ感謝するしかありませんでした。ありがとうございます。


最近のコメント